2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010

2008

中小企業

公正証書

外国人

成年後見

消費者

その他

インターネット陰謀論(5)

2014-08-14
その他
5. グローバリズムによる洗脳
前回、スノーデンが暴露したNSA(国家安全保障局)の監視活動は、「ファイブ・アイズ」(イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド)が日本を含む世界全体に対して行っている監視システムの一端にすぎないことを述べた。イギリスは凋落しているので、「ファイブ・アイズ」の実質的なリーダーはアメリカかと思われるが、諜報ではいまだにイギリスの存在感が大きいという見方もある。そういえば、007も英国スパイである。それはともかく、このような世界全体に対する監視システムが実在し、そして、インターネットは、“World Wide Web”(世界中にクモの巣を張り巡らす)という思想に基づいている。さらに、OSはマイクロソフトによる一社独占であり、同社はアメリカ情報当局と蜜月関係にある。これらの事実を並べただけでも、極めて怪しいと言わざるを得ないのではないか。
そして、日本政府の見解によれば、OSはインフラなので独禁法の対象外だということだ。50Hzや60Hzといった電源周波数の場合、規格を統一してもらわなければ不便だし、それよって一社だけが儲かるわけではない。しかし、ウィンドウズはオープンソースではないので、必ずマイクロソフト社製品を購入しなければならず、単体で1万円以上はし、これはすべてマイクロソフト社の利益となる。これを果たしてインフラ(公共財)と呼べるのだろうか。そして、日本を初め世界の国々は、何故このように不合理かつ国益に反することを強いられているのか。
監視活動との関連で言えば、非公開なので、プログラムの中にあらかじめマルウェアを組み込んでおくことも可能であろう。例えは悪いが、盗聴器付きの電話を販売しても、誰にも気づかれないというわけだ。そのようなことはないと信ずるが、OSが統一されているだけでも、監視する側にとってはメリットである。ウィルスもプログラムなのだから、OSが異なれば、当然活動しづらいはずだ。世界中のOSが一元化された環境とは、いわば舗装され、交通ルールも同じで、通行を阻むものが何もない道路網のようなものだ。サイバースペースでは、自由に行き来できる通行手形がウィルスに与えられているのだ。
さらに、OS以外のIT技術も、少数の米国企業によって牛耳られている。世界中にアメリカのIT製品がたくさん出回っていれば、監視活動においても様々な方法が可能であろう。ウィルス対策ソフトや検索エンジンについてはすでに触れたが、IT業界が叡智を絞れば、効果的な監視方法が見つかるはずだ。そして、IT企業にも十分な見返りが得られるとすれば、政府との間に切っても切れない関係が築かれてゆくだろう。アメリカ政府とAT&Tとの間には、すでに百年以上も昔からギブアンドテイクの関係が続いているというが、IT業界もそれを望んでいるはずだ。官民一体は、何も日本だけの話ではないのだ。
そして、各国がウィンドウズの不合理な独占を許し、少数の米国企業がそれに乗っかることによって、均質で一元的なインターネット空間が構築されていく。この空間が、アメリカ色に染め上げられていることは言うまでもない。

もう一つ、グローバリズムの問題がある。バーチャルな空間に均質で一元的な世界を構築していけば、やがてリアルな世界にも反映されていく。つまり、サイバースペースは、来るべき時代の雛型でもあるのだ。これは、世界経済のルールを一元化させていくというグローバリズムの思惑とも一致する。
 このように言うと、インターネットでは、少数意見の影響力を持つことによって多元化されていると言う者もいるだろう。確かに、言論においてはそうだろう。しかし、経済の大きな枠組みの中に人々を組み込んでいくという面では、均質化や一元的化が進んでいると思われるのだ。
前回取り上げたコンプライアンスなどもその一例である。意味もわからず「同意」ボタンをクリックしているうちに、多くの人々は、あたかもそれが普遍的ルールであるかのように錯覚してしまう。そもそも、購入前に契約書に目を通した上で、「同意」ボタンをクリックするなどというのは、今まで全くなかった習慣である。近くの商店で買い物をする時はおろか、デパート等で貴金属などの高額商品を購入する時ですらこんなことはしなかった。そして、「同意」ボタンをクリックする時、契約書にいちいち目を通す人はほとんどいないであろう。たいていは反射的にクリックするだけだ。あの長い文書にいちいち目を通すことなど、実際には不可能だからだ。試しにある人が契約書の中に、「これに同意した者は、悪魔に魂を売る」という一文を加えたところ、7千人以上の人々がこれに「同意」したという。そして、このように売主にとって一方的に有利な取引を、一般化せてもいいものだろうか。

開発途上国や少数民族の間でのネット販売の普及は、さらなる深刻な問題を引き起こす。インターネットの普及が、伝統文化の破壊にもつながりかねないからだ。
イヌイットに関するドキュメンタリーの中で、少年が電子ゲームに興じたり、青年がグーグルアースでニューヨークの景色を眺めているシーンがあった。中高年者は狩りに誇りを持っているが、若者は伝統的な狩猟生活に対して疑問を持ちはじめている。イヌイットの若者たちの多くが、インターネットを長時間利用するようになれば、この傾向にますます拍車がかかるに違いない。これはある意味仕方のないことだが、これはインターネットによる洗脳と言っていい。
日本はたまさか近代化に成功したが、西欧社会に過剰適応させられた面もあり、その意味で近代化は洗脳であったとも言える。しかし、結果として繁栄がもたらされたので、これを批判する人はほとんどいない。インターネットの普及もこれと同様に見る向きもいるが、近代化はあくまで国家を前提としたものであり、その点でグローバリズムと大きく異なる。
グローバリストの中には、単なる自由貿易主義者もいるが、ボーダレス化、さらにはワンワールドを目指す者までいる。ワンワールド主義はグローバリズムの極端な形だが、法律、経済、制度、習慣などあらゆるものを統一に向かわしめ、究極的には世界統一政府の樹立を目指すものである。もちろん、現在のグローバリストたちが一枚岩だとは思わないが、ワンワールドを真剣に考えている者も確かにいるのだ。
ビル・ゲイツも、インターネット上の政府ができれば国家は必要なくなると考えていた時期があるという(浜田和幸)。また、デイビット・ロックフェラーも、世界統一政府の樹立について語っている(「ロックフェラー回顧録」新潮社2007)。
これはけして単なる空想や妄想の類ではなく、ありうべき未来の姿なのだ。ワンワールド化がかなりの進展を見せた例が、かつて2度ほどあった。1度目は、イスラムの版図拡大である。これは、アッパース朝の時、バクダードがモンゴル軍の攻撃で壊滅したことによって挫折する(1258)。もう一つはマルクス主義だが、これについては説明の必要もなかろう。
ワンワールドを実現させるためには、軍事力や経済力だけではダメで、普遍主義(教義やイデオロギー)と教育力がなければならない。イスラム教もマルクス主義も、この点において成功し、その結果多くの同胞たちを得た。過去に広大な版図を獲得した例は他にもあるが、世界統一という明確な目標とそのための理念を掲げたのはこの二つだけであろう。
今、アメリカのワンワールド主義者は、三度めのチャレンジをしているのではないかと思う。そしてインターネットは、その伝導者となり、洗脳のための強力な武器となっていく可能性があるのだ。


前の記事
インターネット陰謀論(4)
次の記事
インターネット陰謀論(6)

-出張対応エリア 例-
千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、江東区、品川区、目黒区、大田区、 世田谷区、渋谷区、中野区、杉並区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、練馬区、足立区、葛飾区、江戸川区、 八王子市、立川市、武蔵野市、三鷹市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、 国分寺市、国立市、清瀬市、東久留米市、武蔵村山市、多摩市、稲城市、西東京市