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インターネット陰謀論(1)

2014-08-08
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1.  ウィンドウズによる独占

現在、ほとんどのパソコンには、OSとしてウィンドウズが搭載されており、なぜ独禁法に触れないのかと、不思議に思う人もいるだろう。周囲を見渡しても、ウィンドウズの利用者は9割を越えているように見える。Web接続時に使用されるOSに関する調査においても、Windowsが97.34%、Mac OSが1.49%、Linuxが0.51%という報告がある(OneStat.com、オランダ 2003)。独禁法の適用は、必ずしも市場占有率だけによるものではないので、この数字が直ちに同法違反を示すものではない。しかしこれは、明らかに異常な数字である。
現に、海外では独禁法違反に問われ、裁判沙汰にもなっている。ウィンドウズのお膝下のアメリカでは、1994年から1998年にかけて3回、マイクロソフト社が司法省によって反トラスト法違反で訴えられている。一審では、OS部門とアプリケーション部門に分割するよう是正命令が出たが、ワシントン連邦高等裁判所では一審が破棄され、現在のところマイクロソフト社が勝利した形になっている。
また、EUでも、2004年、マイクロソフト社がウィンドウズの支配的地位を利用し、競争法に違反しているとして、約4億9720万ユーロ(約795億円)が制裁金として課せられた。しかし、相変わらずウィンドウズの独占状態は続いており、単なる「マイクロソフト税」だったのではないかと揶揄されている。我が国にもちゃんと独占禁止法があるので、公正取引委員会が告発しているのかと思いきや、何と同法の適用除外ということになっているらしい。電力会社や公共交通機関のインフラと同様の扱いを受けるといったことらしいが、どうも納得のゆかない話である。
基本ソフト(OS)は、裾野に数多くのソフト産業を抱えているため、多すぎても使う者にとっては不便である。また、互換性の問題もあり、メールの添付ファイルを開くことができなければ、使いづらいものとなってしまう。しかしそれは、データ交換等によってある程度解決可能であり、独占による弊害に比べれば遥かにましと言えよう。もちろん、Mac OSやLinuxもあるにはあるのだが、Mac OSはますます影が薄くなってきているし、Linuxはどちらかと言うと上級者向けである。せめて携帯電話のように、3社か4社ぐらいでしのぎを削ってもらうと、品質やサービス向上にも期待がもてるし、消費者の側にとっても選択の余地が出てくる。
一社独占の弊害は他にもある。例えば、購入時に無用のアプリケーションソフトがたくさん組み込まれているが、これらは必ず価格に反映されているはずである。余計なアプリケーションのプリインストールは値段を釣り上げるだけでなく、ハードディスクのメモリーを食う分、後々不具合の原因になりやすい。もちろんカスタマイズしたり、アンインストールしたりするという手立てもあるのだが、うっかり重要なプログラムを削除してしまったりすることもある。パソコンの不具合は軽量化することによって改善される場合が多いのだが、一度懲りたユーザーは触らぬ神とばかりに諦めてしまい、新機種を買う傾向がある。これこそが、マイクロソフトのねらいなのではないか。独占状態であるため、どのメーカーの機種を購入したとしても間違いなく利益が得られるのだから、何の不都合もないわけだ。適正な競争が行われ、もっとシンプルで低価格のOSが登場すれば、こんなわがままは許されなくなるだろう。
また、ウィンドウズを買う時、ほとんどの人はワードやエクセルも一緒に買う傾向がある。これらは附属品ではないので別に買わなくてもいいのだが、ここまでオフィス(ワードやエクセル)のシェアが高いと、添付ファイルを開くためにも買わないわけには行かなくなる。昔は、「一太郎」等の人気ワープロソフトがあったのだが、現在ではほとんどシェアを奪われてしまっている感がある。このように価格や機能ではなく、購入時の利便性だけによって市場が支配されてしまうというのは、好ましいことではない。英語を念頭に作られたワードより、最初から日本語を想定して作られた日本語入力システムの方が機能的に上のはずなのだが、ワードでもまぁまぁ使えるので、別売のソフトを買う人の数は限られてくる。OSとアプリケーションの事実上の一体化は、アメリカでも問題視されているのだから、公正取引委員会は、早くこの状態を是正すべきであろう。

そもそも、パソコンの黎明期においては、TRON(坂村健)を初めとする日本製のOSがいくつも開発され、群雄割拠の様相を呈していた。しかし、アスキー代表であり、当時マイクロソフト社副社長であった西和彦が、電機メーカーを説得し、マイクロソフト社のMS-DOSを導入させた。これが、Windowsの前身である。この辺の事情は、田原総一郎「マイコン・ウォーズ」(1981、文藝春秋)に詳しい。もしこの時、MS-DOSがデファクトスタンダードにならなかったとしたら、OSの林立状態が今も続いていたかもしれない。後年田原は、当時活躍していた天才たちのほとんどは消えてしまった、と語っている。競争ゆえに仕方のないことかもしれないが、ことOSに限って言えば、それだけではすまされない面があるのだ。その辺について、これから論じてみたい。



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